マンションに限っていえば、それまで戸建て住宅への通過点の色合いを濃く残していたマンション居住を永住志向に転換させる契機になった。特に、自分のマンションの安全性に対する意識を芽生えさせた。一方、それと呼応するかのように、兵庫県南部地震で被災したマンションの復興過程では、本来、補修することで復旧できたはずの多くのマンションが、傷物には資産価値がないとの理由で建替えに走った。さらには、復興マンションの建替えをめぐる合意形成上の困難さを大きな要因として、二〇〇二年に区分所有法の建替え条項の緩和がおこなわれた。
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一定の客観要件を必要としていた法定建替えを、区分所有者および議決権の各五分の四以上の合意で可能としたのである。この改定は、それまで難航していた容積率に余裕のある既存マンションの建替えを促進する効果をもたらした。さらに、「新耐震設計法」が導入された一九八一年以前のマンションは、「既存不適格建築物」であり、危険であるとの風潮が一部にできあがってしまった。そこへ、おりしも姉歯元建築士による構造強度偽装事件が発生したのである。この事件は、既存マンションの耐震性に対する不安を一層あおり、各自治体による耐震診断、耐震補強に対する助成制度の拡大をもたらした。
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