日本人のライフスタイルに一大革命をもたらしたのは、ダイニングキッチンで食事をとるという習慣でしょう。ダイニングには普通、家族分の椅子が置かれています。家族が食事の度に顔をあわせる家庭では、座る椅子には決まりがあって、暗黙の了解となっているはずです。この発想は海外にもあるし、日本の茶の間にも存在していました。かつては、父親が家族全体を左右に見わたせる位置に座り、威張っていたものです。とはいえ、父親が座る位置が特別に便利だったというわけではありませんでした。
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ただ、そこには父親の居場所があったのです。一定の居場所が常にあれば、たとえ留守にしているときでも存在を感じさせることができるでしょう。それは、家族の誰であっても同じことです。ところが、時間のすれ違いから、家族がバラバラに食事をとるようになると、こうした秩序は次第に乱れていき、暗黙の了解は意味を失ってしまいます。
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