木割り、というのは木造建築の各部分の寸法を比例によって決める巧妙なシステムで、その源は遠く奈良時代に遡り、全体が確立したのは桃山時代で、当時書かれた『匠明』という文献が聖書のようになっている。ところがこの木割りというものは、庶民の住宅ではなく権威主義的な貴族の住宅をベースにしてつくられているので、それに従うと天井高も権威にふさわしい高さになるのだ。してこの寸法が、民家でも地方の旧家のようにある権威を必要とする住宅の客座敷などに適用されてきて、今も一部の人々の郷愁の対象になっているのである。
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こうした高い天井が伝統のすべてではないことは、伝統的な建築でも発生的に木割りに無縁な草庵風茶室の天井は低めであることからもわかる。ぼくは建築史の専門家ではないからその詳細を知らないが、学生時代に木割りのやや簡略化した要約的知識として、天井高を部屋の畳数に応じて定める方法を教えられた。それによると畳数の2倍を長押から上の高さにする。
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